この研究は、メスのCD(2)F(1)(BALB/c x DBA/2)マウスを用いて、磁界(MF)ばく露がメラトニン産生に及ぼす影響を調べた。マウスを52日間、100 μT、50 HzのMFにばく露し、MFばく露開始後1、3、7、14、16、23日後に夜間尿を採取した。動物の部屋は200ルクスで毎日12時間照明された。メラトニン産生の概日リズムを研究するために、MFばく露開始の約40日後に、夜間尿および昼間尿を1回採取した。尿中6-ヒドロキシメラトニン硫酸(6-OHMS)を測定して、メラトニン産生を評価した。暗期の中央の時間帯における松果体のメラトニン含有量を分析した。その結果、ばく露群および擬似ばく露群のどちらでも、メラトニンの有意なピークは観察されなかった;擬似ばく露群では、光調節による自然なメラトニンリズムが見られなかった;MFばく露は、6-OHMSレベルにおける有意な昼夜差を引き起こしたが、24時間の6-OHMS総排泄には影響しなかった;これら知見については、MFばく露が、実験に使用したマウス(通常、概日光変動への感受性が高くない系統である)の光に対する松果体の感度を高めた、と解釈することもできる、と報告している。
マウスを52日間磁界ばく露し、ばく露開始の1、3、7、14、16、23日後に夜間の尿を採取した。動物の部屋を毎日12時間、200luxで照らした。メラトニン産出の概日リズムを調べるため、夜間及び日中の尿サンプルを1回(ばく露開始の約40日後に)採取した。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 52 days
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 52 days |
Additional information | Vertical magnetic field |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | Animals were housed in polycarbonate cages with lids made of steel wire. Sham exposed animals were in an identical but non energized system in the same room. The exposure system consisted of two paired exposure racks with five coils (0.4 x 1.2 m) in each to produce vertical magnetic field. The vertical distance among the five coils were 0.25 m. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 100 µT | unspecified | 測定値 | - | - |
いずれのグループにも、メラトニンのリズムに統計的に有意なピークは認められなかった。偽ばく露群には、光によって調節される自然のメラトニンのリズムはなかった。磁界ばく露は、日中‐夜間の6-OHMSに有意差を生じたが、24時間の6-OHMS分泌の総量には影響しなかった。
この結果の解釈として考えられるのは、通常は光の概日変化に対して敏感ではないこの系統において、松果腺の光に対する感度を磁界が高める、というものである。
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