<目的>げっ歯類では電界・磁界曝露によりメラトニンが抑制されることが報告されている。ヒトのデータは倫理的な理由から極めて少ない。本研究ではヒトに磁界を曝露した時、血清メラトニン及び尿中6-サルファトキシメラトニンに及ぼす影響を検討する。 <対象・方法>20-30才の健康な男性32名。2月から4月にかけて実験、8:00から23:00hまで明期、23:00から8:00hまで寝る(マスクで目を覆う、曝露室にはベッドを2台、擬似曝露室にもベッドを2台設置。直線磁界10μTを発生させる装置をベッドの周辺に設置(Fig1)。1回目の実験では23:00から8:00hまで連続曝露、2回目は15秒間隔でon-offを繰り返す間欠的曝露(Fig2)血液は11:00から20:00hまでは3時間おき、22:00から8:00hまでは1時間おきに採血。尿は8:00から23:00hまでは3時間おきに、23:00から8:00hまでは夜間尿1回採集。メラトニンの定量はRIA法によった。 <実験結果>Fig3左に連続9時間曝露、右に間欠的9時間曝露、上に血清メラトニン、下に尿6-サルファトキシメラトニンのデータを示す。いずれも曝露群と擬似曝露群との間に有意差はみられない。 <結論>50Hz直線磁界への9時間曝露はヒト松果体機能に影響を与えない。
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