電磁界への胎児のばく露は、神経認知機能障害を引き起こす可能性があるが、その作用機序は依然として不明である。電磁界はラットの海馬において、領域特異的なニューロンとアストロサイトの細胞死を誘導する。ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1(PARP-1)は、損傷後に発生するネクローシス、アポトーシス、およびその他の細胞プロセスを調節する。この研究は、異なる発達期間中に電磁界にばく露したラットの海馬におけるニューロン反応をPARP-1が調節するかどうかを調べた。雄雌ラットを交配させ、妊娠が確認されたラットを4群に割り付けた。900 MHz電磁界を妊娠期間(GD)1-7日、GD 8-14日、GD 15-21日のそれぞれにおいて、2時間/日ばく露した。雌の仔ラットを生後28日目に安楽死させ、海馬におけるPARP-1とカスパーゼ-3の発現を評価した。対照群には特別な処置は行わなかった。その結果、ばく露群では、アンモン角(CA)領域の錐体ニューロンは、GD 1-7日のばく露後には正常に見えたが、GD 15-21日のばく露後には濃染し萎縮していた。一方、顆粒細胞の大部分は、すべてのGDにおいて正常な外観を示した。GD 15-21日にばく露した群は、CAおよび歯状回(DG)の細胞において、強いPARP-1およびカスパーゼ-3の免疫反応性を示した。GD 15-21日の照射後のばく露群では、より高いHスコアも観察された。海馬の神経新生と一致するGD 15-21日における900MHz電磁界ばく露は、PARP-1とカスパーゼ-3を活性化することにより、海馬ニューロンの細胞死を引き起こした、と著者らは報告している。
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