この研究は、チタン製頭蓋インプラントが人間の頭部内での電界分布および携帯電話から吸収されるエネルギー量に及ぼす影響を調べた。携帯電話使用者の頭部、チタン製頭蓋インプラント、スマートフォンモデルの三次元実物に近いモデルを構築した。頭部モデルは16の均一かつ等方性の領域で構成され、誘電率と導電率のパラメータは文献から取得した。チタン製頭蓋インプラントの有無における頭部モデルで、モバイル通信周波数2600 MHzにおける数値計算を行い、インプラントによって導入される界の乱れを決定した。その結果、チタン製頭蓋インプラントの存在下では、モデルの外表面近くの層（皮膚、脂肪組織、筋肉）内の電界の振幅と比吸収率（SAR）が増加する一方、頭蓋インプラントは侵入深度を低下させ、頭蓋骨、脳脊髄液、および脳内の電界の振幅とSARが減少する、と著者らは報告している。
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