この研究は、10、30、90 GHzの半波長ダイポールの放射にばく露された皮膚表面の吸収電力密度(APD)の、アンテナと身体の距離が異なる場合の確率解析を実施した。皮膚組織は、誘電率と導電率が不確実な1層(皮膚)または3層(皮膚、脂肪、筋肉)からなる半空間としてモデル化した。決定論的部分は、ガラーキン・ブブノフ間接境界要素法(GB-IBEM)によるポックリントン方程式の数値解と、対応する界の数値積分に基づいている。APDの確率モーメントを計算するため、組織の電気パラメータの不確かさを、非侵入的確率的コロケーション法(SCM)を介してAPDに伝播した。1層モデルの場合、APDの確率モーメントは3つの決定論的シミュレーションで計算した。一方、3 層モデルのAPDの平均と分散は13回の決定論的シミュレーションで計算したが、歪度と尖度には85回の決定論的シミュレーションが必要であった。APDの標準偏差と平均の比率は周波数とともに減少するため、組織の電気特性の不確かさが高周波でのAPDの不確かさに及ぼす影響は小さくなる。1層モデルと3層モデルの両方に対して実行した感度分析では、同じ結論が示された。10 GHzでは、皮膚の誘電率と導電率が2つの最も重要なパラメータであるが、周波数が高くなるにつれて、皮膚の導電率の影響が優勢になる。これは、10-90 GHz の周波数範囲では二次元確率モデルのみを用いてAPDの不確かさの定量化と感度分析を実行できることを示している、と著者らは結論付けている。
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