[成体の雄のアルビノラットにおけるWi-Fiルーターの電磁放射が甲状腺に及ぼす影響、ならびにビタミンCと亜鉛の併用による保護効果] med./bio.

Effect of Electromagnetic Radiation of Wi-Fi Router on Thyroid Gland and the Possible Protective Role of Combined Vitamin C and Zinc Administration in Adult Male Albino Rats

掲載誌: J Microsc Ultrastruct 2024; 12 (2): 51-61

この研究は、Wi-Fiルーターから発せられる電磁放射が成体の雄のアルビノラット甲状腺に及ぼす影響と、ビタミンCと亜鉛の併用による保護効果の可能性を調べた。成体の雄のアルビノラット30匹のを3群(グループI:対照群、グループII:ビタミンCと亜鉛の投与群、グループIII:ばく露群)に割り付けた。グループIIIはばく露期間に応じて2つのサブグループ(A:6時間/日、B:24時間/日)に分けた。これらの各群を更に2つのサブグループに分け、一方は単独ばく露、もう一方はばく露+投与群とした。全てのラットについて、実験の開始時と終了時に体重を測定した。甲状腺を一般的な組織学、抗カルシトニン免疫染色、超微細構造研究のために準備した。更に、血清総T3、T4、および甲状腺刺激ホルモンTSHホルモンレベルの測定と免疫反応性C細胞の定量分析を行った。その後、免疫反応性C細胞の数、体重データ、およびホルモンレベルに関する統計解析を行った。その結果、24時間/日ばく露のサブグループでは、体重の有意な増加が観察された。更に、T3およびT4レベルの有意な低下とTSHレベルの有意な増加が見られた。ばく露期間の増加に伴い、血管の充血と拡張、細胞浸潤、濾胞の崩壊、空胞変性、およびコロイド内の濾胞細胞の剥離など、さまざまな程度の劣化が観察された。C細胞の平均数は、対照群と比較して有意に増加した。濾胞細胞の超微細構造解析では、コロイド滴、小胞体の劣化、退縮核、および曝露量に応じたミトコンドリアの腫脹が明らかになった。ビタミンCと亜鉛の併用により、明らかな改善が見られた。Wi-Fiの電磁放射甲状腺の形態および活動に非常に深刻な影響を与える。また、電磁放射によって実験的に誘発した甲状腺機能低下症では、C細胞の数が増加した。ビタミンCと亜鉛の併用は、この組織損傷に対して保護効果を持つ可能性がある、と著者らは結論付けている。

ばく露