[非電離高周波電磁放射がゼブラフィッシュの初期胚の発育と行動に及ぼす影響] med./bio.

この研究は、携帯電話から発せられる高周波（RF）電磁放射がゼブラフィッシュ胚（ZE）の発育および行動に及ぼす影響を調べた。ZEを1時間／日、5日間にわたりRFR（比吸収率（SAR）1.13 W/kg、1800 MHz）にばく露した。RFに対する発育段階に特有の脆弱性があるかどうかを理解するため、ばく露はZE発育の3つの異なる時点（1hpf、6hpf、24hpf）で開始した。その結果、生存率、形態、酸化ストレス、コルチゾールレベルに有意な変化は見られなかったが、1hpfでばく露を開始したバッチでは運動パターン（移動距離：659.1 ± 173.1 mm vs 963.5 ± 200.4 mm）に関して統計的に有意な変動が観察され、不安様行動と相関する可能性が示唆された。また、卵黄の消費量も増加した（卵黄嚢面積：0.251 ± 0.019 mm2 vs 0.225 ± 0.018 mm2）。RFばく露は発育の最初期段階で最大限に生体に影響を及ぼし、ばく露時間の増加により、更なる悪影響が明らかになる可能性があると考えられる、と著者らは結論付けている。