[安定的な出力モニタリングおよび効率的な熱制御を備えた1.7 GHz LTE高周波電磁界には各種のヒト細胞の増殖への影響はない] med./bio.

1.7 GHz long-term evolution radiofrequency electromagnetic field with stable power monitoring and efficient thermal control has no effect on the proliferation of various human cell types

掲載誌: PLoS One 2024; 19 (5): e0302936

この研究の著者らによる先行研究では、さまざまなヒト細胞型を1.7GHz LTE高周波電磁界に特定吸収率(SAR)2 W/kgで72時間連続ばく露したところ、細胞老化が誘発されることを示した。LTE RFの正確な細胞影響を理解するために、前回の研究で用いた1.7 GHz RF細胞ばく露装置を精緻化し、RF信号発生器を交換し、ソフトウェアベースのフィードバックシステムを開発してばく露電力の安定性を向上させた。この改良により、1.7GHz LTE RF発生器はRFばく露の自動調節を可能にし、72時間のばく露期間中でも目標電力レベルを3%の範囲内に保ち、一定の温度を維持できるようになった。改良された実験セットアップを用いて、1.7GHz LTE RFを最大SAR 8 W/kgで連続ばく露した場合のヒト脂肪由来幹細胞(ASCs)、Huh7、HeLa、およびラットB103細胞に対する影響を調べた。驚くことに、異なる成長速度を示す全ての細胞型の増殖は、ばく露されていない対照群と比較して有意な変化は認められなかった。また、ばく露群の細胞においてDNA損傷細胞周期の乱れも観察されなかった。但し、熱制御システムをオフにし、8 W/kg LTE RFへの連続曝露中にRFによって誘発される温度上昇を制御しなかった場合、細胞の増殖は最大で35.2%増加した。これらの観察結果は、1.7 GHz LTE RFばく露による細胞影響は主に熱変化によるものであり、RFばく露そのものによるものではないことを強く示唆している、と著者らは結論付けている。

ばく露