[高麗人参はCREMシグナル伝達経路の上方制御を介して携帯電話からの高周波電磁放射によって誘発される下垂体卵巣機能障害を改善する] med./bio.

Panax ginseng Ameliorates Pituitary-Ovarian Dysfunction Induced by Radiofrequency Electromagnetic Radiation from Cell Phones via Upregulation of the CREM Signaling Pathway

掲載誌: Curr Drug Discov Technol 2025; 22 (2): e300424229527

高麗人参(PG)は細胞保護をもたらすアダプトゲンと見なされるジンセノサイドを含む植物である。しかし、PGが下垂体卵巣機能障害およびそれに続く不妊症に与える影響は不明である。この研究は、実験用ラットモデルにおいて、PGが携帯電話高周波電磁放射RF-EMR)に関連する下垂体卵巣機能障害を軽減するとの仮説と、cAMP応答要素モジュレーター(CREM)依存経路の関与の可能性を調べた。雌の成体Wisitarラット20匹を無作為に4群(n = 5)に割り付けた。対照群には経口で溶媒(蒸留水)を投与した。PG投与群には200 mg/kgのPGエキスを経口投与した。RFばく露群は900 MHzにばく露した。RFばく露+PG投与群には同じばく露と、200 mg/kgのPGエキスを経口投与した。これらの処置を56日間毎日実施した。その結果、ばく露群では対照群と比較して、黄体刺激ホルモンLH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エストラジオール、およびプロゲステロン血清レベルが有意に低かった。また、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)およびグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)のレベルも有意に低かった。ばく露群ではCREM遺伝子発現が著しく低下し、下垂体卵巣の形態も乱れていた。しかし、PGの投与に、よりこれらの変化は緩和された。これらの結果は、高麗人参エキスが携帯電話からのRFばく露に関連する下垂体卵巣機能障害に対して抗酸化能力を高め、CREM依存経路を促進することにより保護効果を示すことを示唆している、と著者らは結論付けている。

ばく露