[エンドカンナビノイドシステムはマウスにおける2.65/0.8 GHz二重周波数電磁放射によって誘発される不安様行動に関与している] med./bio.

ワイヤレス通信デバイスの普及に伴い、複雑な周波数の電磁放射（EMR）への環境ばく露がメンタルヘルスに及ぼす潜在的リスクについての懸念が公衆衛生問題となっている。歴史的に、EMR研究は単一周波数の電磁波に主に焦点を当てており、日常生活をより正確に表す多周波数の電磁波の研究を無視してきた。これらの懸念に対処するため、この研究は単一周波数と二重周波数のEMRの感情的影響を比較し、潜在的な分子メカニズムと介入ターゲットを探求した。その結果、2.65または0.8 GHzの単一周波数EMRはマウスに不安様行動を誘発しなかった、2.65/0.8 GHzの二重周波数EMRへのばく露は、マウスに顕著な不安様行動を生じた。マウスの血清の更なる分析では、2.65/0.8GHz EMRへのばく露後にコルチコステロンとコルチコトロピン放出ホルモンレベルが有意に増加することが示された。トランスクリプトームシーケンスでは、脳内のカンナビノイド受容体1型（CB1R）をエンコードするCnr1の発現が大幅に減少することが示された。この知見はウェスタンブロット分析によって一貫して検証され、CB1R含有量が大幅に減少することが明らかになった。更に、大脳皮質においてエンドカンナビノイドの2-アラキドノイルグリセロールの有意な減少が観察された。注目すべきことに、カンナビノイド受容体アゴニストWin55-212-2の投与は、不安様行動を有意に緩和し、カンナビノイド受容体アンタゴニストAM251はWin55-212-2の抗不安効果を効果的に打ち消した。この研究では、二重周波数EMRが単一周波数EMRよりもマウスに不安様行動を引き起こしやすく、視床下部-下垂体-副腎軸とエンドカンナビノイドシステムに影響を与えることが確認された。更に、これらの知見は、Win55-212-2が抗EMR薬の研究および開発の新しい道を提供する可能性があることを示唆している、と著者らは結論付けている。