[血小板の再生能力に対する回転磁界の影響] med./bio.

血小板はPDGF（血小板由来成長因子）、IGF-1（インスリン様成長因子）、TGF-β1（トランスフォーミング成長因子β）、FGF（線維芽細胞成長因子）などの多様な血小板由来成長因子を生成することにより、組織損傷部位の再生に積極的に関与している。この研究は、回転磁界（RMF）が血小板の再生能力に与える影響を調べた。健康な男女ボランティア30人（n = 15）で構成される研究グループから血漿を採取した。血漿の一部を抽出し、内部対照群として扱った。血漿の他の部分は、異なる周波数（25 Hzおよび50 Hz）で1時間および3時間RMFにばく露した。得られた材料における成長因子（IGF-1、PDGF-BB、TGF-β1、FGF-1）の濃度は、ELISA法により測定した。その結果、群間でPDGF-BB、TGF-β1、IGF-1、およびFGF-1濃度に統計的に有意な差が見られた。PDGF-BBの最高濃度は、25 Hzで1時間RMFにばく露したサンプルで観察された。TGF-β1については、25 Hzで3時間および50 Hzで1時間RMFにばく露したサンプルで最高濃度が得られた。IGF-1およびFGF-1の最高濃度は、25 Hzで3時間RMFにばく露した血漿で示された。RMFは血小板の再生能力を増加させる可能性があることが示唆された。女性の血小板は男性の血小板よりもRMFに対して強い反応を示す可能性があることが注目される、と著者らは報告している。