[内耳に対する2.45 GHzマイクロ波放射の影響：2.45 GHzマイクロ波放射と蝸牛についての組織病理学的研究] med./bio.

この研究は、内耳に対する2.45 GHz Wi-Fi周波数の潜在的悪影響が内耳に及ぼす影響を調べた。妊娠中の雌ラット（n=12）とその雄の新生児を、対照群を除いて、妊娠21日間および出産後45日間にわたって0.6、1.9、5、10、15 V/mの電界強度のWi-Fi周波数にばく露した。ばく露前と安楽死前に聴神経脳幹反応検査を実施した。内耳の摘出後、カスパーゼ-3、-9および末端デオキシヌクレオチド基転移酵素dUTPニックエンドラベリング（TUNEL）を用いた免疫組織化学的方法による組織病理学的検査を行った。その結果、ばく露後の聴神経脳幹反応の閾値は、5 V/m以上で統計的に有意に増加した。免疫組織化学検査でアポトーシス細胞の数を比較した結果、10 V/mおよび15 V/mで有意差が認められた。電界強度が増加するにつれて、アポトーシスのすべての組織病理学的指標が増加した。最も顕著な影響はカスパーゼ-9の染色で観察され、次いでカスパーゼ-3、TUNEL染色であった。カスパーゼ-3、カスパーゼ-9およびTUNELによる染色細胞密度は、電界および電力の増加に伴って直接増加した。内耳のアポトーシスおよび免疫活性は電界および電力に依存する。低ばく露量でも、Wi-Fi周波数の電磁場は内耳に損傷を与え、アポトーシスを生じる、と著者らは結論付けている。