[定量的プロテオミクスは胚性神経幹細胞に対する環境高周波電磁界の影響を明らかにする] med./bio.

Quantitative proteomics reveals effects of environmental radiofrequency electromagnetic fields on embryonic neural stem cells

掲載誌: Electromagn Biol Med 2023; 42 (2): 41-50

この研究は、環境レベルの高周波RF電磁界が胚性神経幹細胞に及ぼす影響を調べた。神経外胚葉幹細胞(NE-4C細胞)をばく露群および擬似ばく露群に無作為に割り付けた。周波数1950 MHz比吸収率SAR)2 W/kgのRFに48時間連続ばく露または擬似ばく露後、細胞増殖細胞計数アッセイ(CCK8)で測定し、細胞周期分布およびアポトーシスフローサイトメトリで測定し、タンパク質量を液体クロマトグラフィー - タンデム質量分析法(LC-MS/MS)で検出し、mRNA発現を定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(qRT-PCR)で評価した。その結果、両群間で細胞増殖細胞周期分布、およびアポトーシスについての差異は認められなかったが、23種類のタンパク質量には差異が認められ、その一部はqRT-PCRで測定された転写レベルの変化と一致した(P < 0.05)。バイオインフォマティクス分析により、示差的に調節されるタンパク質は主に細胞プロセスのカテゴリーにおける「局在化」に富んでいることが示された。但し、NE-4C細胞では重大な経路変化は認められなかった。この実験条件下では、低レベルのRF電磁界ばく露には神経毒性はないが、神経発達または脳機能に関与する一部のタンパク質の量に僅かな変化を生じる可能性がある、と著者らは結論付けている。

ばく露