この研究は、高周波1950 MHzのLTE信号への単独ばく露、および、既知の細胞傷害性薬剤であるマイトマイシンC(MMC)への共ばく露の細胞への影響を調べた。チャイニーズハムスター肺線維芽細胞(V79)を、導波管ベースの装置内で、電磁パラメータと環境パラメータの両方を厳密に制御した条件下で、比吸収率(SAR)0.3および1.25 W/kgでばく露/擬似ばく露し、ばく露および共ばく露後の染色体損傷(小核形成)、酸化ストレス(活性酸素種(ROS)産生)、および細胞周期を分析した。その結果、全ての実験条件および調査対象の生物学的エンドポイントについて、高周波単独ばく露後のサンプルには擬似ばく露対照との差は認められなかった。高周波ばく露後にMMC処理を行った場合、3時間の事前ばく露ではMMC誘発性の小核に変化はなかった。0.3 W/kgで20時間の事前ばく露では、MMCによる小核の発生数は変化しなかったが、1.25 W/kgでは、MMCによる損傷が有意に減少した。連続波を用いた場合、どちらのSARレベルでも影響は認められなかった。MMCによるROS産生は、どちらのSARレベルでも大幅に減少したが、細胞増殖および細胞周期の進行には、共ばく露による影響はなかった。これらの結果は、1950 MHzのLTE信号の直接的な影響の証拠を示しておらず、高周波への事前ばく露がその後の有害な処理からの保護を誘発する能力、およびその効果を引き出す上で採用された変調信号および実験条件の重要な役割に関するこれまでの発見をさらに裏付けるものである、と著者らは結論付けている。
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