この研究は、実験室での測定とシミュレーションの両方を含む、さまざまなばく露シナリオ下での各種ヒトモデルにおける比吸収率(SAR)を評価した。900 MHzと1800 MHzの 2つの高周波(RF)電磁界用のファントムを用いて実験室でSARを測定した。次に、シミュレーションを実行し、頭部および脳、筋肉、脂肪などの特定の頭部組織の平均SARを評価した。シミュレーションでは、性別、年齢、組織タイプがSARに及ぼす影響を調査するために、現実的な計算人体モデルもファントムと併用した。 低、中、高のRFばく露を表す電力レベルを適用し、基本制限および参考レベルと比較した。シミュレーションの結果、900 MHzと比較して、1800 MHzでのSAR計算値が有意に高いことが示された。1800 MHzと900 MHzでの最大SAR値の比率は、乳児では約1.70、子どもでは2.59、成人女性および男性では約2.84 であった。 乳児の脳、脂肪、筋肉、頭部のSAR値は900 MHzでは同等であったが、1800 MHzでの脳のSAR値は他の組織よりも顕著に際立っていた。 乳児とは対照的に、900 MHzと1800 MHzの SAR値の差は、子ども、成人女性および男性ではより顕著であった。全ての人体モデルで、900 MHzと1800 MHzで最も低いSAR値は脳組織で、最も高いSAR値は頭部で得られた。脳と頭部の最大SAR変化比は、1800 MHzで男性の場合 4.44 と計算された。 その結果、印加された電磁界レベルは一般公衆の局所ばく露の参考レベルを下回っていたが、一部の局所SAR値は、特定の電力レベル、特に1800 MHzで一般公衆に対する国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の基本制限を超えていた、と著者らは報告している。
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