R.E.Stevensのコメント(Am.J.Epidem.142.446):この二つの解析は同じ集団に基づくから合併して統計力を大きくすべきである。二つの論文のオッズ比は約1.4で信頼区間の下限は1.0より少し低い。曝露された対象者が足りないために統計力が小さいのである。また10年間夜中通して使用した人のオッズ比が低いが、これに当てはまる症例数が少なく、遠い記憶では誤分類の可能性が大きいという欠点がある。これまでの実験による知見、即ちメラトニンの癌細胞制止作用と磁界によるその作用の低減などが実際に働くものであれば、発ガンの最後の数年間の磁界曝露が重要であり、ここで得られている累積曝露が少ない方がオッズ比が大きいという疫学調査結果と矛盾しないであろう。 J.E.Venaの応答(Am.J.Epidem.142.446-447):我々の研究は、閉経前と閉経後の乳ガンが病理的に全く異なるとの考えから、分離して調査するよう計画したものである。表1に示すように合併して解析すれば統計力が高まり、有意な結果が得られるが、異なる病気であるがゆえに合併する事を我々は嫌った。また3-5年使用したという群で最もオッズ比が高く、さらに多い年数の群では逆に低くなっている。過去の曝露評価であるという不確定さがあるため、これらの知見を保留していたことを強調したい。ガンの促進効果があるならば、累積曝露が多いほどオッズ比が低いのはおかしいのではないだろうか。質問書には毛布の使用時期を記入させなかったので、Stevensが指摘する後期の促進効果があるとしても、それを確かめるデータは得られていない。我々は今データの獲得に更に務めている。
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