この研究は、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)技術を用いて、生きたヒトケラチノサイトおよび線維芽細胞を、第5世代移動通信(5G)の3.5 GHz信号に最大 4 W/kgの比吸収率(SAR)で24時間、連続的または断続的(5分間オン/10分間オフ)にばく露し、熱ショック因子(HSF)、RAt肉腫ウイルス(RAS)、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)キナーゼ、および前骨髄球性白血病タンパク質(PML)(いずれも環境的細胞ストレス応答に関与する分子経路)の基礎活性または化学的誘発活性への影響を調べた。その結果、(i) 線維芽細胞を低いSAR(0.25 および 1 W/kg)でばく露した場合、HSF1の基礎BRETシグナルが低下したが、最も高いSAR(4 W/kg)でばく露した場合には低下しなかった。また、(ii) 線維芽細胞を5G信号に連続的にばく露した場合、PMLのSUMO化のトリガとなるAs203の最大効率が僅かに低下したが、ケラチノサイトでは低下しなかった。但し、影響を受ける細胞の種類、実効SAR、ばく露モード、および分子細胞ストレス応答に関して、これらの影響が矛盾していることから、皮膚細胞が5G RFに単独ばく露、または化学的ストレス要因と共ばく露された場合に、分子影響が発生する可能性があるという決定的な証拠は示されていない、と著者らは結論付けている。
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