この研究は、ラットを平均電力密度5、10、および30 mW/cm2の1.5 GHzマイクロ波に6 分間、2.8 GHzのマイクロ波に6 分間連続してばく露し、胸腺、脾臓、腸間膜リンパ節の構造への影響を調べた。その結果、マイクロ波ばく露がリンパ球のうっ血および核の断片化といった組織損傷を生じることが示された。ミトコンドリアの膨張、クリステの破裂、キャビテーションなどの超微細構造損傷が、特に30 mW/cm2ばく露群で認められた。全体として、マイクロ波はばく露の7-28日後までに、末梢血中の白血球、リンパ球、単球、好中球を減少させた。平均電力密度30 mW/cm2のマイクロ波は、免疫細胞に対して遥かに有意な阻害効果を及ぼした。更に、複数周波数マイクロ波は10および30 mW/cm2では、ばく露の7日後および14日後にインターロイキン-1アルファ(IL-1α)、IL-1β、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、腫瘍壊死因子α(TNF-α)といった幾つかのサイトカインの血清レベルを低下させたが、5 mW/cm2では低下させなかった。また、血清中の免疫グロブリン(Igs)、IgG、およびIgMにも同様の変化が見られた。但し、補体タンパク質の明らかな変化は検出されなかった。1.5 GHzおよび2.8 GHzの複数周波数マイクロ波ばく露は、免疫組織の構造的損傷および免疫細胞の機能障害の両方を生じた、と著者らは結論付けている。
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