この研究は、ラットの精巣の発達に対する、出生前および出生後の期間の50 Hz、3 mTの磁界への4時間/日、5日間/週のばく露の影響を調べた。妊娠したSprague-Dawleyラットを3群に割り付け、擬似ばく露群、妊娠中から生後28日目までのばく露群、妊娠中から生後42日目までのばく露群とした。生後42日目に雄の仔ラットの精巣組織および血液サンプルを採取した。その結果、形態計測分析では、生後42日目までのばく露群に、精巣の変性の結果としての精細管直径の減少、卵胞刺激ホルモン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)のレベルの低下が認められた。脂質過酸化のレベルはどちらのばく露群でも上昇したが、抗酸化レベルの低下は生後28日目までのばく露群のみで見られた。また、生後42日目までのばく露群での血管内皮増殖因子(VEGF)およびインスリン様成長因子-1(IGF1)のレベル低下、生後28日目までのばく露群でのSRCホモロジー3(SH3)および複数のアンキリン反復ドメイン(SHANK3)のレベル低下が見られた。出生前および出生後の電磁界ばく露は、雄の仔ラットの精巣の構造および機能の劣化、ならびに、精巣の機能に影響する成長因子の低下を生じ得る、と著者らは結論付けている。
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