この研究は、第5世代（5G）移動通信に用いられる周波数のミリ波（30-300 GHz）にばく露した三次元（3D）多層皮膚組織における熱伝達を、Maxwellの波動伝播方程式の解をPenneの熱方程式に組み込むことで数値的に解析した。28 GHz、38 GHzおよび60 GHzでの温度変化を解析した。また、電界および比吸収率（SAR）の分布も調べた。その結果、最も高い電界およびSARは皮膚組織の表皮層で生じると推定された。検討した全ての周波数で、最も高い過渡的な温度（(37.36°C）は皮膚の皮下脂肪層で生じると予測された。但し、定常状態の温度は深部体温（37°C）とほぼ同じであった。これらの結果は、5G携帯電話は皮膚組織に熱的損傷を生じることはなく、安全とみなし得ることを示している、と著者らは結論付けている。
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