この研究は、マウスの認知、およびニューロンのカルシウム活性に対する電磁パルス(EMP)へのばく露の影響をイン・ビボで調べた。C57BL/6N系統の雄の成体マウスを300 kV/mのEMPにばく露した。まず、空間学習および記憶、回避学習および記憶、新奇物探査行動、ならびに不安を含む、認知に対するEMPの影響を、複数の行動学的実験で調べた。次に、海馬のCA1領域におけるニューロン活動のイン・ビボでの変化を、リアルタイムのEMPばく露およびばく露後の両方についてファイバーフォトメトリ法で検出した。最後に、海馬におけるニューロンの構造を光学顕微鏡および透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、この条件下でのEMPはマウスの空間学習および記憶能力の低下を生じたが、回避学習および記憶、新奇性追求行動、ならびに不安への影響はなかった。海馬CA1でのニューロン活動はEMPばく露中にはかく乱されたが、ばく露終了後すぐに活性化された。加えて、オープンフィールド試験において中央部に進出した際、または新奇物探索試験において新奇物を探索する際のCA1でのニューロン活動は、ばく露後の1日目および7日目に阻害された。更に、EMPばく露後の海馬ニューロンにおいて損傷した構造が認められた、と著者らは報告している。
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