この研究は、雄のアカゲザルの脳の構造および機能に対する超低周波(ELF)磁界の影響を、視覚学習(VL)、視覚記憶(VM)、視覚作業記憶(VWM)について調べた。サル4匹のうち2匹をELF磁界ばく露群(12 Hz、0.7 μT)、2匹を対照群とし、ばく露/擬似ばく露の前後および回復期の3回、血液サンプルを採取し、ナトリウム、カリウムおよび副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の血漿レベルを評価した。また、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体の遺伝子発現を評価した。脳の前頭前野の解剖学的変化を磁気共鳴画像撮影で測定した。その結果、ばく露群ではVL、VMおよびVWMが有意に改善し、NMDA受容体遺伝子の発現、ならびにナトリウム、カリウムおよびACTHの血漿レベルが有意に高まったが、前頭前野への有意な影響は認められなかった。対照群ではいずれの指標にも有意な変化は認められなかった。12 HzのELF磁界照射はサルの認知能力の向上に広く適用できる、と著者らは結論付けている。
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