[1.5 GHzおよび4.3 GHzの複数周波数のマイクロ波ばく露へのラットの免疫応答:トランスクリプトミクスおよびプロテオミクス分析] med./bio.

Immune Responses to Multi-Frequencies of 1.5 GHz and 4.3 GHz Microwave Exposure in Rats: Transcriptomic and Proteomic Analysis

掲載誌: Int J Mol Sci 2022; 23 (13): 6949

この研究は、ラットを1.5 GHz、4.3 GHzおよび複数[両方]の周波数のマイクロ波平均電力密度10 mW/cm^2でばく露し、免疫応答を調べた。その結果、単一および複数の周波数へのばく露胸腺および脾臓における僅かな病理学的変化を生じた。また、ばく露の6時間と7日後に末梢血中の白血球およびリンパ球が減少し、免疫抑制反応が示唆された。リンパ球のうち、4.3 GHz単独ばく露および複数周波数ばく露群で7日後にBリンパ球の増加、Tリンパ球の減少が生じたが、1.5 GHz単独ばく露群では生じなかった。複数周波数ばく露は単独ばく露よりもBおよびTリンパ球を強く制御した。トランスクリプトミクスおよびプロテオミクス分析の結果、単独ばく露および複数周波数ばく露のどちらも、脾臓および末梢血中の免疫調節および細胞代謝に関連する多数の遺伝子を制御することが示された。但し、複数周波数ばく露はより多くの遺伝子およびタンパク質発現を変化させた。また、複数周波数ばく露はTリンパ球の発生、分化および活性化に関連する遺伝子下方制御する一方、Bリンパ球の活性化に関連する遺伝子上方制御した。1.5 GHzおよび4.3 GHzの複数周波数マイクロ波は、免疫制御および細胞代謝に関連する遺伝子の制御を介して免疫抑制反応を生じることが示された、と著者らは結論付けている。

ばく露