[図書館の電子商品監視装置(EAS)ゲートからの中間周波磁界の測定およびばく露評価] tech./dosim.

Measurement and Exposure Assessment of Intermediate Frequency Magnetic Fields From Electronic Article Surveillance (EAS) Gates in Libraries

掲載誌: Front Public Health 2022; 10: 871134

この研究は、電子商品監視装置(EAS)[いわゆる盗難防止装置]からの磁界ばく露を、EASゲートからの中間周波(IF)磁界に連続的にばく露される図書館職員の疫学研究への適用を考慮して評価した。ゲートを通過する、またはゲートの横を通ることによる一過性のばく露と、室内での慢性ばく露の2種類のばく露を調べた。日本の図書館で一般的に用いられているEASゲート5機種からの磁界を測定した。そのうち2機種について、磁束密度のベクトル成分の位相差を考慮して詳細な測定を実施した。ゲート内での磁界の偏波を、楕円率の指標で調べた。2機種のゲートの磁界ばく露に対する人体内の誘導電界の計算結果から、EASゲートを通過またはゲートの横を通る際のばく露定量的な理解が得られる。図書館職員のデスクでの作業時の慢性ばく露の定量化のため、1機種のゲートについて磁界分布を大部屋で測定した。その結果、磁界は最も近いゲートポストからの水平距離の関数として分布し、国際電気標準会議(IEC)規格で定義された磁界の45点平均値が、EASゲートからの磁界の程度の特性評価に有用な物理量であることが示唆された。この物理量を用いることで、異なるEASゲートへのばく露を詳細な測定なしに比較することが期待される。これらの結果から、IF電磁界ばく露と生じ得る健康影響との関連についての疫学研究でのばく露評価のための有益な手段が得られることが期待される、と著者らは結論付けている。

ばく露

関連論文