[超低周波渦磁界はヒト神経芽腫細胞株のタンパク質発現を改変し、細胞骨格を再構成し、アポトーシスを誘導する] med./bio.

均質な超低周波（ELF）電磁界は、細胞の表現型や増殖率を含む生物学的現象を変化させる。不均質な渦磁界（VMF）は標的細胞からの帯電した生体分子に系統的な動きを生じるが、生体系に対するVMFの影響は不明である。この研究は、SH-SY5Y［ヒト神経芽細胞腫］細胞をばく露するためのELF-VMF改良型ロビンコイルを設計・製作し、その特性を評価した。サンプルを二次元ゲル電気泳動法で分析し、マトリックス支援レーザー脱離イオン化-飛行時間型質量分析装置で同定し、ウェスタンブロッティングで検証し、共焦点顕微鏡で特性を評価した。その結果、合計106個のタンパク質スポットに差次的発現が認められ、ばく露群の細胞プロテオームでは対照群と比較して、40個の下方制御、66個の上方制御が認められた。同定されたスポットは細胞骨格および細胞生存能力タンパク質と関連付けられ、タンパク質‐タンパク質相互作用ネットワークに従い、それらの間に有意な相互作用が認められた。これらのデータから、細胞周期への影響のないアポトーシス細胞に関連した細胞生存率の低下、ならびに細胞骨格における変化の証拠が示された、と著者らは報告している。