[マイクロ波聴覚効果] review

マイクロ波聴覚効果は、マイクロ波ばく露による有意な生物学的現象の一つと広く認識されている。パルス化マイクロ波が聴こえるのは、ヒトの聴覚において遭遇する音波の特異な例外で、これには電磁波が関与している。この論文の著者は、頭部に向けられたマイクロ波パルスが音として聴こえるという、ヒトおよび動物における実験室研究をレビューし、神経生理学的、心理学的および行動学的な観察結果について、以下のように論じている。メカニズム研究では、頭部内の組織に吸収されたマイクロ波パルスが圧力波を生じ、これが骨伝導により内耳に達し、通常の聴覚が関与するのと同じプロセスで蝸牛の受容体を活性化させる、ということが示されている。マイクロ波パルスの電力によっては、誘導される音圧のレベルが聴覚閾値を大幅に超え、組織の傷害を生じる可能性がある。マイクロ波聴覚効果とこれに関連する圧力には、脳組織に損傷を与え、致命的または非致命的な傷害を生じる潜在的可能性がある、と著者は述べている。