[ラット5-HT1A受容体遺伝子プロモーター領域(rs198585630)の多型とマイクロ波ばく露によって誘発される認知変化との関連] med./bio.

Associations Between a Polymorphism in the Rat 5-HT1A Receptor Gene Promoter Region (rs198585630) and Cognitive Alterations Induced by Microwave Exposure

掲載誌: Front Public Health 2022; 10: 802386

この研究は、2.856 GHz、平均電力密度30 mW/cm^2のマイクロ波ばく露後のラット認知変化に、5-HT1A受容体の単塩基多型(SNP)rs198585630が関連しているかどうかを調べた。ラットマイクロ波に6分間×3回/週、最長6週間ばく露した。PC12細胞および293T細胞を5分間×3回(5分間のインターバル2回)でばく露した。rs198585630 C/T対立遺伝子を含む5-HT1A受容体プロモーターの転写活性をイン・ビトロで調べた。脳電図(EEG)、空間学習および記憶、ならびに5-HT1A受容体のmRNAおよびタンパク質発現をイン・ビボで調べた。その結果、rs198585630 C/T対立遺伝子を含む5-HT1A受容体プロモーターの転写活性は、T対立遺伝子を含む5-HT1A受容体プロモーターよりも高いことが示された。5-HT1A受容体プロモーターの転写活性はマイクロ波ばく露によって刺激され、rs198585630 C対立遺伝子マイクロ波ばく露により敏感であった。rs198585630 C対立遺伝子を有するラットでは、5-HT1A受容体のmRNAおよびタンパク質発現の上昇が認められた、マイクロ波ばく露に対してより敏感であった。このことは、認知欠損および脳の電気的活動の阻害を示している。これらの知見は、5-HT1A 受容体のSNP rs198585630が、マイクロ波ばく露に対する過敏症のメカニズムを探求する上での今後の研究における重要な標的であることを示唆している、と著者らは報告している。

ばく露