この研究は、エネルギー供給酵素の一つであるピルビン酸キナーゼ(PK)活性に対するデシメトリック[波長が0.1-1mの]マイクロ波(DMW)の影響を、3、6、24月齢の非近交系の雄ラットの脳で調べた。ばく露群のラットを10または30 µW/cm^2のDMWに20分間/日、10日間ばく露した。その結果、皮質および皮質下の脳構造(これらは酸素供給、形態機能的および系統発生的特性が異なる)でのPK活性は、10 µW/cm^2では上昇し、30 µW/cm^2では低下した。脳構造のミトコンドリア細胞内画分では、PK活性は10 µW/cm^2では30 µW/cm^2よりも低かった。細胞質ゾル細胞内画分では、異なるDMW強度でPK活性に有意差は認められなかったが、これらの指標を個別に見ると、対照群と比較して有意差が認められた。この結果の別の説明として仮説が2つ考えられる。脳構造でのPK活性の上昇は、DMWの有害な影響から神経細胞の構造的完全性と機能的構成要素を保護するための代謝適応を反映しているかもしれない。逆に、PK活性の低下によるエネルギー不足はその後、さまざまな負の二次代謝変化とフリーラジカル酸化を神経細胞に生じる。このデータは、10および30 µW/cm^2のどちらのDMW放射でも、ラットの脳の内因性信号は皮質から皮質下構造に広がるが、PK活性は対照群のレベルまで回復しないことを示している。DMW放射の影響下では、小脳、眼窩および感覚運動皮質はシグナル伝達系における提供者として、辺縁皮質および視床下部は受領者として機能すると仮説付けられる、と著者らは結論付けている。
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