この研究は、通信用振幅範囲での1.8 GHz高周波(RF)電磁界が培養ヒトHEK293細胞[胎児腎細胞]における活性酸素種(ROS)の形成を調べた。その結果、蛍光画像撮影法で検出したROS濃度は、15分間のばく露後に有意に上昇し、細胞核および細胞質ゾルの細胞内コンパートメントの両方に局在化された。定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)分析では、抗酸化酵素(スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)、カタラーゼ(CAT))および酸化酵素(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸オキシダーゼ-2(Nox-2))の遺伝子発現の変化が示された。更に、先行研究で静磁界への応答性が同定されている複数の遺伝子が、RFによっても調節されることが示され、応答メカニズムにおける共通の特徴が示唆された。対照的に、RFの影響の多くでは、生物学的応答が振幅の関数として線形には生じないという、ホルミシスの証拠が認められた。代わりに、特定の信号振幅で測定可能な応答が生じない「ブラインド」スポットのある二相性用量反応曲線が生じた。細胞内ROSの変調は信号周波数および振幅に依存したRFばく露の直接的な結果である、と著者らは結論付けている。
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