この研究は、900 MHzの高周波(RF)放射に急性および慢性ばく露したラットの精巣における細胞死と細胞増殖とのバランス、ならびにJNK[c-Jun N末端キナーゼ:細胞内シグナル伝達系の因子の一つ]/p38 MAPK[分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ]シグナル伝達経路の関与を調べた。精巣の病理組織学およびTUNEL分析[アポトーシス細胞検出法]とあわせて、増殖細胞核抗原(PCNA)、Bcl-xL[アポトーシス制御遺伝子ファミリーの一種]、切断カスパーゼ-3、リン酸化JNK(p-JNK)リン酸化p38(p-p38)の発現を分析した。その結果、急性ばく露群および慢性ばく露群には、擬似ばく露群と比較して、病理組織学的差異、PCNA発現の変化は認められなかったが、切断カスパーゼ-3およびBcl-xLの変化がばく露期間に応じて認められた。TUNEL分析で[アポトーシスの]有意な上昇が急性ばく露群に認められたが、慢性ばく露群にはアポトーシス指数に際は認められなかった。急性ばく露群および慢性ばく露群の両方で、p-38およびJNKタンパク質の発現の有意な上昇が認められた。これらの結果は、900 MHzのRF放射への急性ばく露はラットの精巣における幾つかのパラメータの変化を生じるが、慢性ばく露ではこれが改善されることを示している、と著者らは報告している。
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