[700 MHz高周波電磁界を伴う16 T静磁界でのマウスに対する生物学的安全性の評価] med./bio.

Evaluating the biological safety on mice at 16 T static magnetic field with 700 MHz radio-frequency electromagnetic field

掲載誌: Ecotoxicol Environ Saf 2021; 230: 113125

この研究は、マウスの健康に対する16 T MRIでの高周波RFばく露生物学的影響を調べた。健康な8週齢の雄のC57BL/6マウス合計48匹を用いた。超伝導磁石で16 Tの高強度静磁界を発生させ、内製のRF装置で16 Tでの水素共鳴用にRF電磁界(700 MHz)を送信した。700 MHz RFを伴う16 T静磁界内でマウスを60分間ばく露し、0日目および14日目に体重、臓器係数、主要臓器の組織形態、血液指標を分析した。熱ショックタンパク質70(HSP70)、シクロオキシゲナーゼ2(COX2)、インターロイキン-6(IL-6)を用いて、脳に対する熱作用を評価した。自発運動活性、オープンフィールド試験、尾懸垂試験、強制水泳試験、握力測定試験を用いて、行動学的特徴を評価した。その結果、700 MHz RFを伴う16 T静磁界ばく露は、体重、臓器係数腫瘍臓器の組織形態に有意な影響を及ぼさなかった。0日目の脳でのHSP70およびCOX2の発現ばく露によって上昇したが、14日目のHSP70、COX2、IL-6の発現には、擬似ばく露群と比較して有意差はなかった。擬似ばく露群と比較して、0日目の平均赤血球容積(MCV)および14日目の総タンパク質量(TP)は有意に増加したが、他の血液指標に有意な変化はなかった。ばく露はマウスの回転運動を生じたが、他の行動学的指標に影響はなかった。700 MHz RFを伴う16 T静磁界への60分間のばく露はマウスに重篤な影響を生じなかった、と著者らは報告している。

ばく露