超高圧直流(UHVDC)送電線からの静電界には、神経生物学的影響を生じる可能性がある。この研究は、その影響および潜在的メカニズムを解明するため、静電界ばく露後のマウスの海馬でのタンパク質発現レベルおよび形態学的構造を調べた。ICRマウスをUHVDC送電線から生じる環境中の静電界(9.20-21.85 kV/m)に35日間ばく露し、ばく露期間中に体重を毎週測定した。ばく露後、海馬のCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)およびカルシニューリン(CaN)の発現レベルをウェスタンブロット法で評価した。海馬の病理学的形態および超微細構造を、光学顕微鏡および透過電子顕微鏡でそれぞれ観察した。その結果、ばく露群では対照群と比較して、体重、CaMKIIおよびCaNの発現レベル、ならびに海馬の病理学的形に有意差は認められなかったが、海馬ニューロンの細胞質空洞化がばく露群に認められた、と著者らは報告している。
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