この研究は、心臓の構造および機能に対するSバンド[2-4 GHz]およびXバンド[8-12 GHz]のマイクロ波への複合ばく露の影響、ならびに、心臓伝導機能障害に対するコネキシン-43(Cx43)の病態生理学的重要性を調べた。平均電力密度5および10 mW/cm^2のSバンドおよびXバンド波源を用いて、Wistarラットを単独または複合ばく露した。ばく露から6時間、7日、14日、28日後に、心電図(ECG)を用いて心臓の電気伝導を検出し、自動生化学分析装置で心筋酵素を測定した。心筋の構造および超微細構造の変化を光学顕微鏡および透過型電子顕微鏡で調べるため、観察時点および重度の損傷のあるグループを選択した。Cx43の発現および分布をウェスタンブロッティングおよび免疫組織化学法で調べた。その結果、ばく露後に心拍が上昇し、P波の振幅が減少し、R波の振幅が増加した。血清中の心筋酵素の含量が増加した。心筋組織の構造および超微細構造は損傷した。損傷はばく露量および周波数に依存的であった。心筋組織でのCx43の発現は低下し、分布は異常であった。これらの知見をまとめると、SバンドおよびXバンドのマイクロ波にばく露したラットの心臓での異常な電気伝導の作用機序は、ばく露後のCx43の発現の低下および分布のひずみに関連しているかもしれないことが示唆される、と著者らは結論付けている。
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