この研究は、思春期前の子どもの終日および夜間の脳全体での高周波(RF)電磁界ばく露量の推定値と、睡眠障害および客観的な睡眠尺度との関連を調べた。人口集団ベースの出生コホートであるオランダの「R世代研究」(n = 974)およびスペインの「新生児と環境」プロジェクト(n = 868)からの9-12歳の思春期前の子どもを対象とした。終日および夜間の脳全体での、携帯電話およびDECT規格コードレス電話による音声通話(通話)、通話以外の携帯電話使用、タブレット使用、ノートPC使用(スクリーン活動)、遠方界波源を含む、複数のRF波源からのRFばく露量を全体で、ならびに(通話、スクリーン活動、遠方界を)個別に推定した。睡眠障害の評価のため、母親が「子どもの睡眠障害尺度」に回答した。腕時計型加速度計と睡眠日誌を用いて、睡眠特性を7日間連続で客観的に測定した。その結果、終日の脳全体でのRFばく露量は、自己申告の睡眠障害および客観的な睡眠尺度と関連していなかった。夜間のばく露量については、通話による脳全体でのばく露量が高い子どもは、通話によるばく露量がゼロの子どもと比較して、睡眠時間が短かった(-11.9分、95%信頼区間(CI)= -21.2~-2.5分)。これらの知見は、夜間のRFばく露が睡眠と関連しているかもしれないことを示唆しているが、観察された関連はRFばく露そのものではなく、通話活動またはその動機によるものであるか、偶然によるものであるという可能性を排除できない、と著者らは結論付けている。
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