[着床前後のブタの子宮筋層の転写プロファイルに対する電磁界放射の影響‐イン・ビトロ研究] med./bio.

電磁界は哺乳類の生理学的プロセスに影響を及ぼすが、観察されている変化の分子レベルのバックグラウンドは確立されていない。この研究は、着床前後のブタの子宮筋層における全体的なトランスクリプトミクスの変化に対する、2時間の電磁界ばく露（50 Hz、8 mT）の影響を、次世代シーケンシング技術で調べた。その結果、電磁界ばく露は215個の転写活性領域（TAR）の発現に影響し、その中でも、割り当てられた遺伝子タンパク質をコードするバイオタイプは90個（差次的発現遺伝子：DEG）で、これらは主に防御および免疫応答、ならびに分泌および送出に関連する遺伝子オントロジーに分類されるものであった。評価したDEGは、KEGG TNFシグナル伝達経路、ならびにIFNAシグナル伝達およびインターフェロン-α/βシグナル伝達REACTOME経路の調節を増強した。12個の差次的発現長鎖ノンコーディングRNA（DE-lnc-RNA）が評価され、RNA編集部位に182個の単塩基変異（SNV）置換が予測された。着床前後に採取した子宮筋層での電磁界ばく露は、防御および免疫応答に関与する遺伝子の発現に影響を及ぼすことが示された、と著者らは結論付けている。