低強度の高周波(RF)電磁界に対するげっ歯類の生理学的反応は、低温条件に対する体温調節反応と類似していることが、最近の研究で示されている。低温ばく露に対する主な自律神経反応は抹消血管収縮で、これによってげっ歯類は熱損失を低減し、体内温度を比較的一定に維持している。この研究は、ラットの尾の皮膚温度(Ttail)に対する低レベル(比吸収率(SAR)0.35 W/kg)の900 MHz RFの影響を調べた。その結果、27-28 °C の環境温度では、RFにばく露したラットのTtailは対照群のラットよりも低く、穏やかな環境温度下でRFが顕著な血管収縮を生じ得ることが示唆された。血管拡張剤のα-アドレナリン受容体拮抗薬を腹腔内に注射したところ、Ttailの差は抑制され、ばく露したラットでは血管収縮が生じるという仮説が確認された。更に、低温刺激への反応と同様に、RFばく露は重要な因子であるノルアドレナリン(血管収縮および熱発生を担う神経伝達物質)および脂肪酸(熱発生の活性化のマーカー)の血漿中濃度の上昇につながった。これらの知見は全体として、低強度のRFレベルは、ラットの低温への反応に通常関連している幾つかの重要な生理学的事象のトリガとなることを示している、と著者らは結論付けている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。