6 GHzを超える無線周波(RF)電磁界の、特に5G携帯電話ネットワークでの利用増加は、ヒトの健康に対してあるかもしれない何らかの影響についての一般公衆の懸念を生じている。5Gおよびその他の発生源からのRF電磁界への一般公衆のばく露は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が規定しているヒトのばく露限度より低い。この最新の科学レビューは、ICNIRPの職業的ばく露限度より低い6 GHz超のRF電磁界の生物学的影響および健康影響についての研究を調べた。このレビューには、遺伝毒性、細胞増殖、遺伝子発現、細胞シグナル伝達、細胞膜機能およびその他の影響を含む様々な生物学的影響を調べた実験研究107報を盛り込んだ。報告された生物学的影響は全体として、独立した再現がなされておらず、大多数の研究はばく露の評価と制御の方法として質が低いものを採用していた。これらの影響の多くについては、高いRFエネルギー吸収による加熱の影響を排除できない。このレビューには、5Gと類似した6 GHz超のRF電磁界を用いるレーダーへのばく露を調べた疫学研究31報も盛り込んだ。疫学研究では、異なる部位のがん、生殖およびその他の疾病への影響を含めて、健康影響の証拠はほとんど示されなかった。このレビューでは、5Gネットワークに用いられるような6 GHz超の低レベルRF電磁界がヒトの健康に対して有害であるという、確認された影響はなんら示されなかった。今後の実験研究では、ドシメトリと温度に特に注意を払って研究デザインを改善することが望ましい。今後の疫学研究では、ワイヤレス通信に関連する人口集団における長期的な健康影響のモニタリングを継続することが望ましい、と著者らは結論付けている。
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