ワイヤレス電力伝送(WPT)技術には時間変化する磁界が用いられている。特に、電気自動車の充電用には中間周波帯(IF:300 Hz-10 MHz)に含まれる85 kHz帯の磁界が一般的である。電気自動車の充電へのWPT技術の適用は、IF磁界の健康影響についての一般公衆の懸念を生じているが、健康リスク評価からの既存のデータは不十分で、更なるデータが望まれている。この研究は、マウスの赤血球の分化に対するIF磁界ばく露の遺伝毒性作用を評価した。全身平均で54.1 V/m(ICNIRPガイドラインの基本制限である22.9 V/mの2.36倍)の電界を生じるマウス用の高強度IF磁界ばく露装置を製作し、2週間のばく露(1時間/日、合計10時間)の前後に雄マウスから血液サンプルを採取した。陽性対照としてエックス線照射を用いた。血液サンプルを小核試験およびPig-a突然変異アッセイで分析した。その結果、どちらの分析でも、成熟赤血球および網状赤血球においてIF磁界ばく露群と擬似ばく露群との間に有意差は認められなかった、と著者らは報告している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。