[ワイヤレス電力伝送システムに用いられる中間周波磁界へのばく露によるマウスでの遺伝毒性の証拠なし] med./bio.

No evidence for genotoxicity in mice due to exposure to intermediate-frequency magnetic fields used for wireless power-transfer systems

掲載誌: Mutation Research - Fundamental and Molecular Mechanism of Mutagenesis 2021; 863-864: 503310

ワイヤレス電力伝送(WPT)技術には時間変化する磁界が用いられている。特に、電気自動車の充電用には中間周波帯(IF:300 Hz-10 MHz)に含まれる85 kHz帯の磁界が一般的である。電気自動車の充電へのWPT技術の適用は、IF磁界健康影響についての一般公衆の懸念を生じているが、健康リスク評価からの既存のデータは不十分で、更なるデータが望まれている。この研究は、マウスの赤血球分化に対するIF磁界ばく露遺伝毒性作用を評価した。全身平均で54.1 V/m(ICNIRPガイドラインの基本制限である22.9 V/mの2.36倍)の電界を生じるマウス用の高強度IF磁界ばく露装置を製作し、2週間のばく露(1時間/日、合計10時間)の前後に雄マウスから血液サンプルを採取した。陽性対照としてエックス線照射を用いた。血液サンプルを小核試験およびPig-a突然変異アッセイで分析した。その結果、どちらの分析でも、成熟赤血球および網状赤血球においてIF磁界ばく露群と擬似ばく露群との間に有意差は認められなかった、と著者らは報告している。

ばく露