<目的>低周波磁界の興奮性細胞に及ぼす影響を研究するためにはクローム親和性細胞は有用なモデルである。本研究の目的は前回の研究のように低周波磁界を培養クローム親和性細胞の分化に用い、これらの細胞がドーパミン作動性ニューロンに似た電気的性質をもつか否かを検討することである。 <対象・方法>クローム親和性細胞はWistarラット副腎髄質から分離した。コントロール群、神経成長因子NGF(50ng/ml)添加群、及び垂直低周波磁界(60Hz、10G)を一日午前・午後2回2時間曝露した群に分けた。2週間培養の後、電気活動は細胞外記録法により活動電位を記録した。細胞内電極により膜電位を記録した。形態学的には免疫細胞化学的方法によりカテコールアミン合成酵素チロジン・ハイドロキシラーゼ(TH)の存在を決定した。 <結果>低周波磁界に曝露された培養細胞はカテコールアミン作動性神経細胞の特徴をそなえている。腫瘤形成は表1にまとめてあるように低周波磁界群で多くみられた。電気的性質は図2、3に示してあるように自発発射頻度はNGF群、磁界群でコントロール群に比べて有意に高く、静止膜電位はそれぞれコントロール群に比べて有意に低かった。 <結論>磁界刺激は膜機能の変化をもたらし、これが、クローム親和性細胞の形態学的変化につながる。
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