[眼科におけるテラヘルツスキャンの安全性プロファイル] med./bio.

Safety profiles of terahertz scanning in ophthalmology

掲載誌: Sci Rep 2021; 11: 2448

テラヘルツTHz)技術は眼科を含む生物医学分野における新たな潜在的画像撮影法となりつつあるが、THz電磁界へのばく露後の眼の生物学的反応は十分には調べられていない。この研究は、眼のTHzスキャンの組織レベル、細胞レベル、構造レベルおよび機能レベルでの安全性をラットで調べた。8匹のウサギを対照群THz(0.3 THz、40 µWの連続パルス)への4時間連続ばく露の1時間後の群、4時間後の群、1週間後の群に割付けた。その結果、全ての時点で、角膜およびレンズはクリアなままで、臨床的および組織病理学的な角膜のぼやけやレンズの濁りの形成はなかった。サーモグラフィーによる評価では熱作用は認められなかった。桿体細胞錐体細胞を介した網膜電図反応には有意な変化はなく、イン・ビボ共焦点顕微鏡で評価した角膜実質細胞の活性ならびに内皮生存率への影響もなかった。ばく露後の角膜、レンズおよび網膜には、熱ショックタンパク質HSP)90AB1、DNA損傷誘導転写物3(DDIT3)、初期増殖応答タンパク質(EGR)1のmRNA発現有意な変化は認められなかった。これらの組織には、免疫組織化学分析での炎症(CD11b)、繊維性(フィブロネクチンおよびα-平滑筋アクチン)、ストレスHSP-47)およびアポトーシス性(TUNELアッセイ)応答も認められなかった。角膜の光透過率、および透過電子顕微鏡で評価した角膜実質の原線維間距離にも有意な変化はなかった、と著者らは報告している。

ばく露