この研究は、低強度のマイクロ波放射がラットの肝臓におけるDNAおよび酸化的損傷におよぼす影響を調べた。雄のSprague-Dawleyラット18匹を3群:グループ1(擬似ばく露群)、グループ2(1800 MHz、比吸収率(SAR)0.62 W/kg、電力密度0.127±0.04 mW/cm^2)、グループ3(2100 MHz、SAR = 0.2 W/kg、電力密度0.038 ± 0.03 mW/cm^2)に無作為に割り付け(各群n = 6)、2時間/日、7か月間ばく露または擬似ばく露した後、安楽死させ、肝臓組織サンプル中のDNA損傷、マロンジアルデヒド(MDA)、8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)、総酸化‐抗酸化パラメータを分析した。その結果、ばく露群ではMDA、8-OHdG、総酸化状態、酸化ストレス指標、コメットアッセイのテール強度の有意な増加(P < 0.05)、ならびに総抗酸化状態の有意な減少(P < 0.05)が認められた。これらの結果は、携帯電話から発せられる低強度の1800および2100 MHzマイクロ波への全身ばく露は、ラットの肝臓に酸化‐抗酸化パラメータを変化させることで酸化ストレスを生じさせ、DNA一本鎖切断および酸化的DNA損傷に至らしめる可能性がある、と著者らは結論付けている。
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