この研究は、重症型β-サラセミア[ヘモグロビンの合成異常によって生じる遺伝性貧血]の患者における血漿および赤血球の酸化状態に対する超低周波(ELF)磁界の影響を調べた。また、酸素化ヘモグロビン(oxyHb)濃度の評価のための人工ニューラルネットワーク(ANN)を設計した。重症型β-サラセミア患者(n = 12)、ならびに年齢および性別でマッチングした健康な提供者(n = 12)から採取した血液サンプルを、0.5および1 mTの50 Hz磁界に1および2時間ばく露した後、血漿の酸化状態を評価した。血漿タンパク質の構造的変化を未変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(Native PAGE)およびドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)で調べた。更に、oxyHb濃度に対する酸化および抗酸化パラメータのインパクトの予測のため、多層パーセプトロン(MLP)法を用いて、フィードフォワード型ANNモデルを設計した。その結果、ELF磁界への2時間のばく露は、重症型β-サラセミア患者から採取したサンプルに有意な酸化的変化を生じた。電気泳動プロファイルからは、重症型β-サラセミア患者および健康な提供者から採取した血漿サンプルにおいて2つの高分子量型タンパク質凝集体が認められた。この研究におけるANNの設計によれば、oxyHb濃度の主な予測因子は、542、340、569、630、577、420 nmでのヘモグロビンの光学密度、ならびにメトヘモグロビンおよびヘミクローム濃度であった、と著者らは報告している。
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