[携帯電話から発せられる無線周波放射にばく露したラット精巣におけるDNA一本鎖切断および酸化的変化] med./bio.

この研究は、異なる周波数の無線周波（RF）電磁放射への長期ばく露が、ラットの精巣組織におけるDNA一本鎖切断および酸化的変化に及ぼす影響を調べた。Sprague-Dawleyラットの雄28匹を無作為に4群に割付け、それぞれ900、1800、2100 MHzのRF発生装置からの放射に2時間／日、6か月間ばく露または擬似ばく露した。最後のばく露の直後に精巣を摘出し、DNA損傷、8-ヒドロキシデオキシグアノシン（8-OHdG）、マロンジアルデヒド（MDA）、総抗酸化状態（TAS）、総酸化状態（TOS）、酸化ストレス指数（OSI）を分析した。その結果、RF放射はTOS、OSI、MDAおよび8-OHdGを増加させた（p < 0.05）。ばく露群のTASレベルは擬似ばく露群よりも低かった（p < 0.05）。DNA損傷については、コメットテイル強度がばく露群で高かった（p < 0.05）。これらの結果は、携帯電話から発せられるRF放射への長期ばく露はラットの精巣組織において酸化ストレスおよび酸化的DNA損傷を生じ得ることを示している、と著者らは結論付けている。