無線周波(RF)電磁界の睡眠への短期的な影響については複数のヒト実験研究が実施されているが、その影響に対する性別または年齢の役割については十分に検討されていない。先行研究では、高齢の被験者における影響の性差が認められたことから、この研究では、男性において年齢がRF電磁界の影響を変化させるかどうかを調べた。若年者(サンプル1:25.3±2.6歳、サンプル2:25.4±2.6歳、それぞれn = 30)ならびに高齢者(69.1±5.5歳、n = 30)の健康な男性ボランティアを対象とした二重盲検・無作為化・クロスオーバー研究で、異なるRF電磁界信号へのばく露の影響を調べた。スクリーニング/順応のための1夜の後、2週間のインターバルで9夜の実験を実施した。2種類のRF信号(GSM900、2 W/kgおよびTETRA、6 W/kg)へのばく露の影響の年齢による変化を、それぞれ擬似ばく露との比較で調べた。頭部に取り付けたアンテナから発せられる信号へのばく露中に、睡眠ポリグラフ、ならびに睡眠ステージ測定を実施した。4つの主観的および30の客観的な睡眠パラメータについて、RF電磁界ばく露と関連しているかどうかを統計的に分析した。その結果、擬似ばく露下で観察された睡眠パラメータとの比較では、若年者と高齢者との生理学的な差異が強調された。どちらの年齢グループにも、TETRA信号ばく露下では持続的睡眠までの潜時が短いという、睡眠促進作用を反映した一貫性のある影響が認められた。ばく露の影響の年齢による変化は、GSM900信号へのばく露後では4つの自己申告による睡眠パラメータのうち2つで、TETRA信号へのばく露下ではREM睡眠中の覚醒について、それぞれ認められた。短期的な夜間を通じたRF電磁界ばく露の睡眠への影響は、若年および高齢の男性では散発的にしか生じなかったので、年齢は問題ではなさそうであるが、若年女性については高齢女性との比較のための対応するデータがないことから、この仮定を検証することはできない、と著者らは結論付けている。また、今回の結果は健康への悪影響を示すものではない、と述べている。
ばく露の詳細情報なし
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。