[シミュレートした微小重力と低磁界下のキイロショウジョウバエの精子:運動性と細胞呼吸] med./bio.

Drosophila melanogaster Sperm under Simulated Microgravity and a Hypomagnetic Field: Motility and Cell Respiration

掲載誌: Int J Mol Sci 2020; 21 (17): E5985

各種の動物種の進化および正常なプロセスの維持において地球の重力場および磁界が担う役割は依然として不明である。この研究は、キイロショウジョウバエ精子運動性に対する、1、3、6時間のシミュレートした微小重力と低磁界の条件の影響を調べた。通常の餌に加えて、必須リン脂質を500 mg/kg投与した。精子尾の速度を動画記録の分析で、タンパク質含量をウェスタンブロットで、細胞呼吸をポーラログラフィーでそれぞれ判定した。その結果、呼吸鎖の複合体Iによる細胞呼吸率の低下に対し、低磁界条件への6時間のばく露後に精子運動性が低下した。この影響は必須リン脂質を投与した検体には認められなかった。但し、低磁界条件への1時間のばく露後には、必須リン脂質を投与した検体の精子を含めて、複合体Iによる細胞呼吸率が上昇した、と著者らは報告している。

ばく露