これまで、超低周波(ELF)磁界は誘導電界を通じてヒトの前庭機能にインパクトを及ぼすという仮説に基づき、姿勢制御を変調させる前庭での理論的閾値として4 T/sが提唱されてきたが、この値を超えるデータは欠如していた。この研究は、健康な参加者20人の姿勢制御に対する、4T/sの閾値を超える頭部全体への一様なELF磁界刺激(20 Hz、60 Hz、90 Hz)のインパクトを、揺れの速度、主方向、空間分散について調べた。その結果、3つの周波数のいずれについても、ELF磁界ばく露の有意な影響は認められなかった。事前の予想よりもELF磁界のインパクトが弱かったのは、前庭系のごく一部にしかインパクトを及ぼさなかったためであろう、と著者らは結論付けている。
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