この研究は、黒色腫細胞(G361及びSK-Mel-31)ならびに正常なヒト真皮線維芽細胞(NHDF)に対する、パルス化高出力マイクロ波(卓越周波数3.5 GHz)の影響を調べた。細胞に対し、1回あたり0.6 Jの電磁エネルギーを有するパルスを、1回、5回、15回、45回照射し、細胞生存率、増殖率、アポトーシス、細胞死、代謝活性、無酸素ラジカル調整を評価した。その結果、マイクロ波ばく露は量依存的に2つの黒色腫細胞株の生存率及び増殖率を増加させたが、線維芽細胞には有意な影響は認められなかった。黒色腫細胞ではATP[アデノシン三リン酸]及びミトコンドリア活性のレベル上昇も認められた。また、マイクロ波ばく露は黒色腫細胞及び線維芽細胞の細胞死には影響しなかった。ポリメラーゼ連鎖反応分析では、マイクロ波は黒色腫細胞において、細胞周期及びアポトーシス遺伝子に影響することなく、量依存的な増殖マーカーを誘導することが示された。これらの知見は、マイクロ波は黒色腫細胞に対しては線維芽細胞とは異なる影響を及ぼすことを示している、と著者らは結論付けている。
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