先行研究で、磁界が表皮成長因子(EGF)と同様に表皮成長因子受容体(EGFR)クラスタリングを生じ、EGFRシグナル伝達を活性化させることが示されていることから、この研究は、磁界ばく露がEGFの物理学的特性、ならびにその下流のEGFとEGFRとの相互作用を変化させるかどうかを調べた。その結果、フェイズ‐インターロゲーション表面プラズモン共鳴(SPR)センシング分析では、4.0 mTの50 Hz磁界への1時間ばく露はEGF溶液の可逆的な比誘電率の変化を生じた。但し、擬似ばく露したEGF溶液と比較して、磁界ばく露したEGF溶液はEGFのEGFRへの結合にも、ヒト羊膜上皮細胞の生存率及びEGFRクラスタリングにも影響しなかった。これらのデータは、磁界ばく露に対する細胞のEGFRクラスタリング応答は、細胞培養液内のEGFの比誘電率の変化の結果ではないであろうということを示唆している、と著者らは結論付けている。
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