[イン・ビトロ培養中のマウス前腹卵胞のマトリックスメタロプロテイナーゼ-2及び-9のゼラチン分解活性に対する携帯電話から発せられる放射の影響] med./bio.

この研究は、イン・ビトロで培養したマウス前胞状卵胞のゼラチン分解活性に対する携帯電話ばく露の影響を調べた。前未熟マウス（n=16）の卵巣から胞状卵胞を単離し、通話モードの携帯電話への60分間のばく露の有無で培養した。ゼラチン分解活性をザイモグラフィー法で評価し、マトリックスメタロプロテイナーゼ（MMP、主にMMP-2及び-9）、メタロプロテイナーゼの組織阻害剤（TIMP、主にTIMP-1及び-2）の遺伝子発現をリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応（RT-PCR）法で評価した。並行して、前胞状卵胞の成長を評価した。その結果、対照群と比較して、ばく露群の前胞状卵胞の成熟パラメータは有意に低下した（P<0.05）。ゼラチン分解活性も有意に低下した（P<0.05）。MMP-2遺伝子の相対的なmRNA発現はばく露群で有意に上昇し（P<0.05）、MMP-9遺伝子の発現率は大幅に低下した（P<0.05）。反対に、TIMP-1の相対的発現は有意に低下した（P<0.05）。これらの結果から、携帯電話へのばく露はMMP-2及び-9遺伝子の発現、ならびにゼラチン分解活性の変化を通じてマウスの卵胞の成長及び成熟率を変化させる、と著者らは結論付けている。