この研究は、電磁放射による酸化パラメータ及びアポトーシス、ならびに亜鉛(Zn)が電磁放射によるアポトーシスに対する防護作用を有するかどうかを調べた。ヒト腎臓胚細胞(HEK293)を4群(対照群、ばく露群、50 μM Zn+ばく露群、100 μM Zn+ばく露群)に割付け、各ばく露群を2.45 GHzの電磁放射に1時間ばく露した。Zn群では、ばく露前に48時間、異なる濃度のZnでインキュベートした。酸化ストレスのパラメータを分光測定法で判定した。Bcl-2及びカスパーゼ-3を免疫組織化学法で評価した。アポトーシス活性をTUNELアッセイで調べた。その結果、ばく露群では対照群と比較して、マロンジアルデヒド(MDA)レベルが高く、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性が低かった。Zn群ではばく露群と比較して、MDAレベルが低く、SOD活性が高かった。ばく露群では対照群と比較して、アポトーシス細胞及びカスパーゼ-3免疫陽性細胞の数が有意に増加したが、bcl-2は低下した。更に、Zn群ではばく露群と比較して、アポトーシス細胞の数及びカスパーゼ-3が有意に減少し、bcl-2免疫陽性が増加した。これらの知見は、電磁放射がHEK293細胞に酸化ストレス及びアポトーシス活性化を生じることを示しており、ZnはSOD活性及びbcl-2免疫陽性を高め、脂質過酸化及びカスパーゼ-3免疫陽性を低下させることで、電磁放射に対する防護作用を有するようである、と著者らは結論付けている。
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